健全な歯列(歯並び)って、何?
健全な歯列(歯並び)って、何?
大人も子供も、キレイな歯並びに憧れますよね。
見た目がキレイなのも大事ですが、そもそも歯並びが整っているとは、
しっかり噛んで飲み込むことができるバランスの取れた状態のことです。
お口の働きは、咀嚼(食べ物を細かくなるまで噛む)、嚥下(細かく咀嚼した食べ物を飲み込む)、呼吸、発音です。
どれも日常生活で必要なもので、実はこれらの働きの上で、歯列は形作られていくのです。
・・・ということは、正常なお口の働きが、正常な歯列を作っていくというわけです。
お口を動かすには、お口の周りの筋肉、唇、舌の動きが必要です。
そのお口の周りの筋肉、唇、舌の動きが適切であれば、
歯は正常に並んでくれるのです。
逆に、お口の機能が正常でなかったり、悪い癖、喉や鼻に疾患を抱えていると、
歯並びに問題が生じやすくなるのです。
1⃣ むし歯がある。
乳歯のむし歯をそのまま放置して、大きな穴が空いていたり、
ボロボロになって形が無くなってしまったりして、
早期に歯を失ったりすると、歯並びに悪影響を及ぼします。
永久歯の生えてくる場所に乳歯が生えていますが、
永久歯が生える前の早くに乳歯が無くなってしまうと、
隣の歯がそのスペースを埋める様に移動し、
実際生えてくるはずの永久歯も生えることができず、
歯並びが悪くなってしまうのです。
2⃣口呼吸をしてしまう
通常、舌の先は上の前歯の後ろの上あごにくっついています。
くっついていますか??
結構、意識すると、くっていてないな・・・という方、多いです。
鼻の疾患や、今の時期、マスクなどで口呼吸になっている方は、
舌の位置が下がって、下の歯のアーチの中に収まってしまっていることが多いです。
歯並びは、舌が適切な位置にあり、唇や口の周りの筋肉からの圧力がかかることで、
正常な状態に発達していきます。
しかし、口呼吸していると、舌の位置が下がるので上あごが発達しにくくなります。
こうなると、いわゆる出っ歯(上顎前突)や、歯並びがガタガタ(叢生)の原因になります。
また舌を前歯の方に突き出しやすくなるので、奥歯はしっかり噛み合わさっているのに、
前歯は上下で嚙み合わず、隙間が空いた状態(開咬)になってしまうこともあります。
3⃣お口周りの様々な癖
①舌を咬んでしまう(咬舌癖)
無意識のうちに、上下の前歯で舌を咬んでしまっていることです。
開咬の原因になったり、噛み合わせの異常、また発音に悪影響が出ることもあります。
②唇を咬んでしまう(咬唇癖)
これも無意識のうちに、上の歯で下の唇を咬んでしまっていることです。
上顎前突(いわゆる出っ歯)になったり、下の前歯が内側に倒れてしまったりして、
不正咬合の原因になってしまいます。
また下の歯で上の唇を咬んでしまう場合は、反対咬合(いわゆる受け口)に
なってしまう可能性があります。
②舌を前に出してしまう、唇をよくなめる(舌突出癖)
舌を前に押し出してしまう癖です。
これも開咬の原因になったり、噛み合わせの異常につながってしまいます。
③食べ物や唾を飲み込むときに、舌が前に出てしまう(異常嚥下癖)
ものを飲み込むときに、舌が上下の前歯の間から飛び出してしまう癖です。
正常な嚥下は、舌が上あごにくっついて、上下の歯が接触した状態で飲み込みます。
舌が前に出た状態での飲み込みは、異常嚥下癖とされ、噛み合わせを狂わせてしまいます。
④指しゃぶり
指しゃぶりは、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる時から始まっています。
お母さんのおっぱいを吸うための訓練として、しているんですね。
でも3歳を過ぎても指しゃぶり、また、おしゃぶりの使用が続いている場合は、
注意が必要です。3歳以降は、歯や顎の発育がとても活発になってくる時期です。
この時期に、このような癖が残っていると、開咬や上顎前突の原因になることがあります。