見た目だけじゃない!?
少しずつですが、暑さも幾分かやわらぎ始めましたね。
この夏、ふと思ったことですが、
【歯並び矯正=見た目を良くする】だけだと思っていませんか??
確かに、歯並びの矯正といえば、キレイな歯並びの広告を連想してしまうので、
そう思っていらっしゃる方がほとんどだと思います。
でも、しっかりした歯並びは、「いつまでも噛める歯、お口の環境を保つ」為に、
大人、子供、関係なく、とても重要なことなんです。
例えば、よく表現される「ガタガタの歯」。
見た目ももちろん影響ありますが、「しっかり歯を磨くことができない」ことに繋がります。
「しっかり歯を磨くことができない」→「汚れが溜まったままになる」→「むし歯菌、歯周病菌が増える」
→「むし歯、歯周病になりやすくなる」
になるんですね。
また「出っ歯」の例も。
これも見た目だけでなく、「うまくお口を閉じることができない。」ことに繋がります。
「うまくお口を閉じることができない」→「口の中が乾いた状態になる」
→「唾液がうまく行き渡らないので、歯の表面に汚れや着色がつきやすくなる」→「むし歯菌、歯周病菌が増える」
→「むし歯、歯周病になりやすくなる」
につながります。
「開咬:前歯の上と下が、しっかりと噛み合わない状態」の場合は、
食べ物を嚙むとき、前の歯で嚙み切ることができません。
本来、前後左右でバランスよく使っている歯が、「前の歯は噛めない」→「それ以外の歯、奥歯で噛むようになる」
→「それ以外の歯、奥歯に、大きな負担がかかる」→「奥歯の痛みや顎関節症などのリスクも高まる」
→「しっかりと噛んだり、お口の機能ができなくなる」
バランスが崩れてしまうことによって、他の歯に影響をあたえてしまうんですね。
「過蓋咬合:上の前歯が下の前歯に覆い過ぎて、下の歯が見えない。」
大人の方の場合だと、顎が前や横へ自由に動くのを阻害するので、顎関節に負担がかかり、
顎関節症の症状(顎がカクカク鳴る。口が開けづらい)が出ることがあります。
また、下の歯が上の歯ぐきに食い込み、傷がついたり、腫れたり、口内炎ができやすくなったりすることもあります。
子供の場合では、全体の咬み合わせが深いので、永久歯がまっすぐ生えてこなかったり、
下顎の成長、発育が抑制されてしまい、他の歯の歯並びに影響してしまうこともあります。
1本歯を失うことは、お口のバランスが崩れ始めるということです。
それが連鎖的に他の歯、お口の機能に影響を及ぼしていくというわけなのですね。
結果的には、
◆噛む力が衰えることによって、脳への刺激が低下し、認知症の原因に
◆よく噛み砕くことができずに飲み込んでしまうので、消化器官に負担がかかる
◆しっかりした発音ができず、会話に支障をきたす
◆姿勢が悪くなる
等、全身に影響が及んでいくことに繋がります。
ちなみですが、学校で行われている歯科検診では、こういうところをチェックしています。
小学校低学年では、
上下の前歯が生え揃った頃に、
①極端な受け口(反対咬合)、または上顎前突になっていないか。
②上の顎と、下の顎の位置が極端にずれていないか。
③奥歯で咬み合わせても、前歯が咬み合わない、になっていないか。
④下の前歯が上の前歯に隠れて見えない、になっていないか。
小学校高学年では、上に加えて、
①歯と歯の隙間が大き過ぎないか。
②歯並びが極端にガタガタしていないか。
いずれにおいても、将来に永久歯を失うことなく、自分の歯でしっかり噛んでいけることを目指しているんですね。
以上のように、歯並び矯正は、ただ見た目のキレイさを求めるだけでなく、
今後、「1本でも多く自分の歯で、いつまでもしっかり噛める」ため、おすすめします。
大人の方も、これから永久歯が生えてくる大事な時期を迎えるお子様も、お気軽にご相談下さいね。